妊活中に増えている「新型栄養失調」|血液検査・BMI・サプリの選び方まで鍼灸師が解説

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妊活中に増えている「新型栄養失調」|血液検査・BMI・サプリの選び方まで鍼灸師が解説

2026/07/29

妊活中に増えている「新型栄養失調」|血液検査・BMI・サプリの選び方まで鍼灸師が解説

妊活中に増えている「新型栄養失調」|血液検査・BMI・サプリの選び方まで鍼灸師が解説

 

「ちゃんと食べているのに、なんだか元気が出ない」

 

妊活中の方から、本当によく聞く言葉です。そして血液検査を受けても「基準値内です」と言われて終わってしまう。

 

この記事では、いま日本の妊活世代に起きている栄養の問題を、公的な統計と研究をもとに整理します。読み終えたときに「次に何をすればいいか」がはっきりしている状態を目指しました。

 

先に結論をお伝えします。妊活で必要なのは、多くの場合「減らすこと」ではなく「足りていないものを埋めること」です。そしてそのためには、思い込みではなく測ることから始める必要があります。

 

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## 1. 「新型栄養失調」とは何か

 

かつての栄養失調は、食べる量そのものが足りないことが原因でした。

 

一方でいま指摘されているのは、カロリーは足りているのに、体をつくる材料だけが不足しているというアンバランスな状態です。これがいわゆる「新型栄養失調」と呼ばれるものです。

 

なお「新型栄養失調」は医学的な正式病名ではなく、高齢者の低栄養やたんぱく質不足を指して啓発の文脈で使われる通称である点は、あらかじめお断りしておきます。

 

### なぜ妊活と関係するのか

 

理由は大きく2つあります。

 

**ホルモンも卵子も子宮内膜も、材料はたんぱく質と脂質です。**
細胞の膜も、ホルモンを運ぶ土台も、原料はアミノ酸や脂質です。材料が不足した状態が続くと、体はまず生命維持に資源を回すため、生殖機能は後回しになりやすいと考えられています。

 

**鉄は酸素の運び屋です。**
鉄が不足すると全身に酸素が届きにくくなります。卵巣や子宮は体の中心から見れば末端にあたるため、冷えやだるさ、月経の変化として現れることもあります。

 

東洋医学では、この状態を血虚(けっきょ)と表現します。血が足りず、めぐりも滞りやすい状態です。舌の色が淡い、爪が割れやすい、髪がパサつくといったサインが重なることが多く見られます。

 

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## 2. 数字で見る、日本人の栄養状態

 

「そんなに栄養状態は悪くないのでは」と思われるかもしれません。統計を見てみます。

 

### 戦後直後と、現代の摂取カロリー

 

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、戦後すぐの1946年、日本人の1日あたり平均摂取エネルギーは約1,903kcalでした。食べるものが本当に足りなかった時代です。

 

そして2016年の調査では、約1,865kcal。数字の上では、戦後直後を下回っています。

 

ただしこの比較には注意が必要です。1946年の調査は方法も対象地域も現在とは異なるため、学術的に単純比較できるものではありません。また現代は移動が車や電車になり、仕事もデスクワーク中心で、そもそも消費するエネルギー量が違います。

 

つまり「戦後より栄養状態が悪い」と断定するのは正確ではありません。問題は総量よりも中身にあります。

 

### 中身はどう変わったか

 

日本人のカロリー摂取量は1970年代半ばをピークに、そこから下がり続けてきました。

 

減ったのは、ごはん・野菜・魚・豆といった、地味だけれど栄養の詰まった食品。増えたのは脂質と加工食品です。

 

たんぱく質を見ると分かりやすく、1975年以降しばらく80g前後で推移していたものが、近年は70g前後まで下がっています。1日10gの差は、卵1.5個分が毎日抜けている計算になります。

 

### そして、いちばん薄いのが妊活世代

 

令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査では、やせ(BMI18.5未満)の割合は女性全体で12.0%、**20歳代女性では20.2%**でした。5人に1人という水準です。

 

飢えてはいないけれど、満たされてもいない。いまの日本の栄養状態は、そう表現するのが実態に近いと考えられます。

 

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## 3. 妊活と体格 — BMIと体脂肪率の目安

 

「痩せているほうが妊娠しやすいのでは」という質問をよく受けます。ここは数字ではっきりしています。

 

### BMIの目安

 

BMI = 体重(kg)÷(身長(m)× 身長(m))

 

| BMI | 分類 |
| --- | --- |
| 18.5未満 | やせ |
| 18.5〜24.9 | 標準 |
| 25.0〜29.9 | 肥満(1度) |
| 30.0以上 | 肥満(2度以上) |

 

海外の研究では、妊娠率や出産に至る割合がもっとも安定するのは、標準域のなかでもBMI20〜24あたりとされています。

 

身長158cmで換算すると、BMI20で約50kg、BMI22で約55kg、BMI24で約60kgです。「思ったより重い」と感じる方が多い数字ではないでしょうか。

 

### 下限のライン — BMI18.5

 

BMI18.5未満に入ると、月経が乱れやすくなり、排卵そのものが止まってしまうことがあると報告されています。158cmなら、46kgを切るあたりです。

 

エネルギーが足りないと判断すると、体は生命維持を優先して生殖機能から先に止めていきます。「妊娠は今ではない」と、体が決めてしまう状態です。

 

### 体脂肪率について

 

女性の健康的な体脂肪率は、おおむね20〜30%とされています。月経が止まった女性を対象とした研究では、機能を取り戻すのに体脂肪率22%以上が必要になる場合があると報告されています。

 

ただし、ここには2つの注意点があります。

 

ひとつは測定精度です。家庭用体組成計の体脂肪率は、水分量や測定時間で数%簡単に動きます。1回の数字で判断するものではありません。

 

もうひとつがより重要です。かつて広く知られた「一定の体脂肪率を下回ると月経が止まる」という臨界体脂肪率仮説(Frischの仮説)には、現在では批判もあります。近年の研究で重視されているのは、体脂肪の数字そのものよりも**エネルギー利用可能量(energy availability)**という考え方です。

 

エネルギー利用可能量は、摂取エネルギーから運動で消費したエネルギーを引き、除脂肪体重で割った値です。これが1日あたり30kcal/kg除脂肪体重を下回る状態が続くと、黄体形成ホルモン(LH)の分泌リズムが乱れることが示されています。

 

つまり、体脂肪率が20%台にあっても、食事量が少なく運動量が多ければ、体は「足りない」と判断します。

 

### 上限側について

 

BMI25以上では排卵しにくくなる方が増え、30以上では不妊治療の成績にも影響が出るとされています。

 

ただし前述のとおり、日本の20代女性は5人に1人がやせです。妊活で相談に来られる方の多くは、減らす側ではなく増やす側にあたります。減量が必要な場合でも、急激なダイエットは逆効果になりやすく、月に1〜2kg程度のペースが安全とされています。

 

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## 4. 見落とされやすい既往歴 — 成長期のダイエットと無月経

 

ここは、多くの方が「もう昔のことだから」と流してしまう領域です。しかし妊活においては、確認しておく価値の高い情報です。

 

### 当てはまる方

 

- 中高生の頃に極端な食事制限をした
- 部活が忙しく、生理が止まった時期がある
- 生理不順を長く放置していた

 

### なぜ成長期が重要なのか

 

**骨の問題です。**
一生分の骨量のおよそ9割は、20代前半までに形成されるとされています。この時期に女性ホルモンが出ない状態が続くと、骨をつくる材料も指令も届きません。

 

そして厄介なことに、その後に体重や月経が戻っても、10代でできた不足分は完全には取り戻しにくいと報告されています。思春期に発症した方では、回復後も骨折リスクが高い状態が続くという報告もあります。

 

**体が学習してしまう問題です。**
エネルギー不足の状態が長く続くと、体は「生殖機能から止める」というやり方を覚えます。無月経の期間が長かった方ほど、回復にも時間がかかる傾向があるとされています。

 

### 部活を頑張った方は、とくに注意

 

ある研究レビューでは、18歳未満の女性アスリートの約54%に月経の異常がみられ、運動をしていない同年代では約21%だったと報告されています。

 

当時は「生理が止まるくらい頑張っている証拠」と評価された方も少なくないと思います。しかし現在の理解では、それは体からの警告でした。

 

### 今、確認しておきたいこと

 

- 婦人科でホルモンの状態を診てもらう
- 無月経の期間が長かった方は、骨密度検査を受けておく
- 医療機関や管理栄養士に、今の食事量が足りているかを見てもらう

 

そして知っておいていただきたいのは、エネルギー不足による無月経(機能性視床下部性無月経)は**可逆的な状態**とされていることです。時間はかかりますが、回復は十分に見込めます。

 

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## 5. まず調べる — 血液検査でわかる栄養指標

 

「栄養が足りていない気がする」からといって、いきなりサプリを何種類も飲むのは順番が逆です。まず測ります。

 

そして知っておいてほしいのは、**基準値は「病気かどうか」の線引きであって、「調子よく過ごせるか」とは別の物差しだ**ということです。

 

### ① フェリチン(貯蔵鉄)

 

もっとも重要な項目です。

 

健診で見るヘモグロビンは「今、流れている鉄」。フェリチンは「貯金してある鉄」です。貯金が尽きかけていても、流れている分さえあればヘモグロビンは正常値で出てしまいます。これがいわゆる「隠れ貧血」です。

 

WHOの基準では15ng/mL未満が鉄欠乏とされています。ただし近年の生理学的な分析では、閉経前女性では25ng/mL付近から鉄欠乏性の造血が始まるという報告が出ています。

 

さらに体感の面では、貧血のない女性の疲労感を調べたランダム化比較試験(Verdonら, BMJ 2003)で、鉄の補充によって改善したのはフェリチン50以下のグループのみでした。

 

このため分子栄養学の分野では、30〜50を下限の目安に置くことが多くなっています。

 

一方で「フェリチンは100必要」という数字も見かけますが、これと妊娠率との関係を示した根拠は現時点で確認できません。ここは慎重に扱うべき部分です。

 

なお、フェリチンは炎症や感染があると高く出ます。CRPと合わせて見ないと読み違えます。

 

### ② ヘモグロビンとMCV

 

ヘモグロビンは12.0g/dL未満で貧血とされます(WHOは2024年の改訂でも非妊娠女性のこの値を据え置いています)。

 

セットで見たいのがMCV(赤血球の大きさ)です。小さければ鉄不足、大きければビタミンB12や葉酸の不足が疑われます。基準値内であっても90を下回ってきたら鉄不足の初期を疑う、という読み方をすることがあります。

 

### ③ 総蛋白・アルブミン・BUN

 

たんぱく質が足りているかの手がかりです。アルブミンは4.0台をひとつの目安とします。

 

BUN(尿素窒素)は、たんぱく質が分解されてできる老廃物です。そのため低すぎる場合、そもそも材料が入っていない可能性を考えます。ただし脱水で上がり、腎機能でも動くため、単独では判断できません。

 

### ④ ASTとALT

 

この2つは、活性型ビタミンB6(ピリドキサールリン酸)を補酵素として働く酵素です。そのためB6が不足すると、測定値が低めに出ることがあります。

 

ALTが一桁から10台前半であればB6不足を疑う、という読み方があります。機序としては筋が通っていますが、この数値基準自体は検証されたものではなく、筋肉量が少ない方でも低下します。あくまで手がかりとして扱うべき項目です。

 

### ⑤ 血清亜鉛

 

これは日本臨床栄養学会が「亜鉛欠乏症の診療指針」を公表しています。

 

| 血清亜鉛値 | 判定 |
| --- | --- |
| 80〜130µg/dL | 基準値 |
| 60〜80µg/dL未満 | 潜在性亜鉛欠乏 |
| 60µg/dL未満 | 亜鉛欠乏症 |

 

そして同指針では、亜鉛欠乏症の臨床症状のひとつとして**不妊症**が明記されています。妊活の文脈で確認する意義がある項目です。

 

測定は早朝空腹時が望ましいとされているため、採血の時間帯にも注意してください。

 

なお、かつて亜鉛不足の指標として使われていた「ALP低値」は、2024年の診療指針改訂で診断基準から削除されています。古い情報が残っている解説も多いので、注意が必要な点です。

 

### ⑥ ビタミンD(25-OH)

 

日本人女性には不足が多いと報告されています。健診の標準項目には含まれていないため、こちらから指定しないと測定されません。目的によっては自費になります。 

 

### ⑦ TSH(甲状腺)

 

不妊治療では標準的に測定される項目です。すでに治療中の方は測定済みのはずですので、結果を確認してみてください。

 

### 検査を受けるときの実務的な注意

 

- フェリチンとビタミンDは健診の標準項目ではありません。こちらから依頼しないと測定されないことがほとんどです
- 毛髪ミネラル検査や、いわゆる遅延型フードアレルギー(IgG)検査は、栄養評価の手段として推奨されていません
- 数字は手がかりであって、断定ではありません

 

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## 6. サプリメントの選び方

 

### 国が唯一、サプリからの摂取を勧めている栄養素

 

日本人の食事摂取基準は、基本的に「通常の食品から摂ること」を前提に策定されています。

 

そのなかで唯一の例外として、通常の食品以外からの摂取が認められているのが**葉酸**です。目的は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減です。

 

理由は生体利用率にあります。

 

- 食品に含まれる葉酸(ポリグルタミン酸型):体で使えるのは約50%
- サプリメントの葉酸(モノグルタミン酸型):約85%

 

つまり、食事だけでは推奨量に届きにくい設計になっているのです。

 

推奨は、通常の食事に加えてモノグルタミン酸型葉酸を1日400µg。時期は**妊娠の1か月以上前から妊娠3か月まで**です。妊娠が分かってから飲み始めても、間に合わない期間があります。

 

### 葉酸以外は、測ってから

 

鉄も亜鉛もビタミンDも重要な栄養素ですが、これらは足りない人が摂って意味があるものです。前章の血液検査が先になります。

 

とくに鉄は、余っても尿から排出されません。飲みっぱなしはリスクになり得ます。

 

### 選ぶときの5つの基準

 

**① 配合量がmg・µgで表示されているか**
「〇〇エキス配合」といった表示だけでは量が分かりません。裏面の栄養成分表示を確認してください。

 

**② 葉酸はモノグルタミン酸型か**
「天然」「植物由来」とだけ書かれたものは、ポリグルタミン酸型の場合があります。国が推奨しているのはモノグルタミン酸型です。

 

**③ ビタミンAの量を確認する**
妊娠を考える時期は、レチノール(動物性のビタミンA)の摂りすぎに注意が必要とされています。耐容上限量は1日2,700µgRAEで、これは妊婦でも同じです。マルチビタミンを重ねて飲むと、意外と近づきます。
なお、にんじんなどに含まれるβ-カロテンは必要な分だけ変換されるため、過剰症の心配はありません。

 

**④ 成分が重複していないか**
葉酸サプリ+マルチビタミン+鉄という組み合わせは、かなり重なります。

 

**⑤ 「妊娠できる」「治る」と書かれた製品は選ばない**
サプリメントは食品です。そうした表示をした時点で法令に抵触しています。

 

### サプリで埋まらないもの

 

たんぱく質、エネルギー、睡眠。このあたりは粒では埋まりません。サプリは土台の上に乗せるものであって、土台そのものではありません。

 

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## 7. 1日の食事の組み立て方

 

とくに、過去に極端な食事制限をした経験がある方、生理が止まった経験がある方に向けた内容です。

 

### いちばんの落とし穴は「引き算グセ」

 

一度でも制限を経験した体には、考え方のクセが残ります。

 

- まず何を減らすかから考える
- 食べたら運動で取り返そうとする
- 「今日は食べすぎた」で1日を採点する

 

このクセが残ったままだと、食事の中身をどれだけ整えても、総量が足りないままになります。

 

### 朝:まず、抜かない

 

朝食を抜くと、体は夜からの絶食時間をそのまま引き延ばします。量は多くなくて構いません。たんぱく質を1品と、主食を必ず。コーヒーだけ、ヨーグルトだけは朝食に入りません。

 

### 昼:主食を抜かない

 

昼をサラダやスープで済ませるパターンが非常に多く見られます。

 

糖質は、脳から卵巣への指令に関わることが分かってきています。血糖が低い状態が続くと、ホルモンを出す司令塔の働きが鈍りやすいと考えられています。ごはんは、抜くものではなく戻すものです。

 

### 夕方:補食を入れる

 

夕食までの空腹時間が長いほど、体は省エネモードに入りやすくなります。おにぎり、バナナ、チーズ、ナッツ。何でも構いません。間食イコール悪ではありません。

 

### 夜:脂質を怖がらない

 

ホルモンの材料は脂質です。脂溶性ビタミン(A・D・E・K)も、油がなければ吸収されません。長く低脂質を続けてきた方は、ここがいちばんの伸びしろになります。

 

### 動いた日は、その分を足す

 

運動そのものは問題ではありません。問題は動いた分を足さないことです。体は「使った量」ではなく「残った量」で判断します。

 

### 増やし方には順番があります

 

食べる量を増やそうとすると強い不安が出る、数字を見ないと安心できない。そうした状態であれば、自己流で増やすことはおすすめしません。

 

過去に大きく体重を落とした経験がある方は、戻し方にも順番があります。医療機関や管理栄養士と一緒に進めてください。

 

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## 8. 体重計との付き合い方

 

毎日体重を測るのは良いことなのか。答えは「誰が測るかによって変わる」です。

 

### 研究の結果は割れています

 

減量を目的とした中高年を対象とした研究では、こまめな測定が体重管理に役立ち、心理面の悪影響も見られなかったと報告されています。

 

一方で若年女性を長期に追跡した研究(Project EAT)では、測定頻度が高いほど体型への不満が強く、自尊心が低い傾向、そして不健康な体重コントロール行動と関連することが示されています。近年の研究でも、自己批判が強い方ほど測定頻度と食事制限が結びつきやすいという結果が出ています。

 

同じ行動でも、誰が行うかで意味が変わります。

 

### そもそも体重は1日で動きます

 

日内変動は1〜2kg程度あり、その大半は水分です。

 

- 体に蓄えた糖(グリコーゲン)は、1gにつき約3gの水を抱えます
- 塩分の多い食事の翌日は水分を保持します
- 排便の有無でも動きます
- 月経周期でも動きます。とくに排卵後から月経前は水分を溜め込みやすい時期です

 

昨日と今日の増減は、脂肪の増減ではありません。

 

### 妊活では、方向が逆になる

 

これまで述べてきたとおり、妊活で必要なのは増やす方向であることが多くあります。しかし毎日測っていると、増えた日は自動的に「失敗」として処理されてしまいます。

 

### 置き換えたい指標

 

妊活で本当に見たいのは、こちらです。

 

- 月経周期が安定してきたか
- 基礎体温が二相に分かれているか
- 手足の冷えが減ったか
- 朝すっきり起きられるか
- 髪や爪の状態
- 疲れにくくなったか

 

測ること自体をやめる必要はありません。週に1回、同じ曜日・同じ時間に。それで十分です。

 

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## 9. まとめ

 

- 現代の栄養問題は、量ではなく中身のアンバランスにある
- 20代女性の5人に1人がやせ。妊活世代の多くは減らす側ではなく増やす側にいる
- BMI18.5未満は排卵に影響しうる下限ライン。目安は20〜24
- 体脂肪率の数字より、エネルギー利用可能量という考え方が重視されている
- 成長期のダイエット歴・無月経歴は、いま確認する価値がある
- サプリの前に、まず血液検査。フェリチン・ビタミンD・亜鉛は自分から依頼が必要
- 国がサプリからの摂取を勧めているのは葉酸のみ
- 数字は責めるためのものではなく、方向を決めるための道具

 

妊活は「頑張って何かを増やす」よりも、「足りていないものを埋める」ほうが結果的に近道になることが少なくありません。

 

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## よくある質問(FAQ)

 

### Q. 妊活中の理想的なBMIはどのくらいですか?

 

一般にBMI18.5〜24.9が標準域とされ、研究では20〜24あたりで妊娠率や出産に至る割合がもっとも安定するとされています。18.5未満では月経の乱れや排卵の停止が起こることがあると報告されています。ただし個人差があるため、治療中の方は主治医の方針を優先してください。

 

### Q. フェリチンはいくつあれば十分ですか?

 

WHOの基準では15ng/mL未満が鉄欠乏です。ただし体感の面では、貧血のない女性を対象とした研究で、疲労感が改善したのはフェリチン50以下のグループでした。このため30〜50を目安に置く考え方があります。「100必要」という主張については、妊娠率との関係を示す根拠は確認できていません。

 

### Q. 葉酸サプリはいつから飲めばよいですか?

 

厚生労働省は、妊娠を計画している女性に対し、通常の食事に加えてモノグルタミン酸型葉酸を1日400µg摂取することを推奨しています。時期は妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までとされています。妊娠が分かってからでは間に合わない期間があるため、妊活を始めた時点からの摂取が勧められます。

 

### Q. 健康診断で「異常なし」でしたが、栄養は足りていますか?

 

基準値は病気かどうかの線引きであり、最適な状態を示すものではありません。またフェリチンやビタミンD、血清亜鉛は健診の標準項目に含まれていないことがほとんどです。気になる場合は、これらの項目を指定して医療機関で測定してもらってください。

 

### Q. 学生時代に生理が止まっていました。今から影響はありますか?

 

エネルギー不足による無月経(機能性視床下部性無月経)は、可逆的な状態とされています。ただし無月経の期間が長かった方ほど回復に時間がかかる傾向があり、また10代での骨量の不足は完全には取り戻しにくいと報告されています。婦人科でのホルモン検査と、必要に応じて骨密度検査を受けることをおすすめします。

 

### Q. 毎日体重を測ってもいいですか?

 

測ること自体が悪いわけではありませんが、研究では対象となる集団によって結果が分かれています。体型への不安が強い方では、測定頻度が高いほど不健康な体重コントロール行動と関連するという報告があります。測るたびにその日の食事内容が決まってしまうようであれば、週1回・同条件での測定に切り替えることをおすすめします。

 

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## この記事を書いた人

 

**かわちゃん先生**
鍼灸師。臨床経験10年以上。兵庫県西宮市・夙川の「鍼灸整体こうのとり治療院」院長。

 

夫婦で妊娠力を高めることをコンセプトに、30代半ばから40歳・第1子を目指す方の妊活サポートを中心に、マタニティ整体、赤ちゃんの頭の形の整体、肩こり腰痛などの慢性痛、美容整体に対応しています。施術に加えて、トレーニングとセルフケアの詳細な指導を行っている点が特徴です。

 

**鍼灸整体こうのとり治療院**
兵庫県西宮市大井手町3-6 ヴァンベール夙川

 

西宮・夙川エリアで鍼灸や妊活のサポートをお探しの方は、お気軽にご相談ください。

 

Threadsでは毎日21時に、妊活に役立つ情報を配信しています(@k_kawachan)。

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## 免責事項

 

本記事は栄養と妊活に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断・治療・予防を目的とするものではありません。記載している数値や基準は一般的な目安であり、個々の状態に当てはまるとは限りません。

血液検査の実施および結果の判断は医療機関で行われるものです。不妊治療中の方は、必ず主治医の方針を優先してください。サプリメントの使用については、服薬中の方や既往のある方は事前に医師・薬剤師にご相談ください。

体重や食事に関して強い不安がある方、過去に摂食障害の既往がある方は、自己判断で食事量を変更せず、医療機関や管理栄養士にご相談ください。