妊娠体質を作る8つの要素|血流と血液の質を整えるために

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妊娠体質を作る8つの要素|血流と血液の質を整えるために

2026/09/05

妊娠体質を作る8つの要素|血流と血液の質を整えるために

# 妊娠体質を作る8つの要素|血流と血液の質を整えるために

 

妊娠しやすい体をつくるために大切なことは、突き詰めるとシンプルに1つです。それは「血流」と「血液の質」を良くすること。

 

しかし、この2つを作るために関わっている要素は、数えてみると8つあります。メンタル、消化吸収、循環、排泄、消炎、栄養、不必要な体に入ってくるもの、血糖コントロール。そして、メンタルと身体は互いに影響し合っています。

 

このページでは、この8つの要素を1つずつ整理しながら、なぜそれぞれが妊娠体質と関係しているのか、今日からできることは何かをお伝えします。

 

## なぜ「血流」と「血液の質」が大切なのか

 

子宮や卵巣がしっかり働くためには、酸素と栄養を運ぶ血液が十分に届く必要があると考えられています。道路(血管)がどれだけ整っていても、そこを通る荷物(血液)の中身が乏しければ意味がありませんし、逆にどれだけ良い血液があっても、巡りが滞っていれば必要な場所に届きません。

 

この「巡り」と「中身」の両方を左右しているのが、これから紹介する8つの要素です。

 

## ①メンタル(家庭環境・夫婦関係・トラウマ・目標・ストレス)

 

ストレスを感じると交感神経が優位になり、血管が収縮しやすくなると言われています。血流が悪くなる、いちばんわかりやすい入り口がここです。

 

これを説明するのに役立つ考え方が「ポリヴェーガル理論」です。自律神経を交感神経(緊張)と副交感神経(リラックス)の2つだけでなく、「安全・危険・命の危機」という3段階の反応として捉えるモデルで、まだ学術的に議論が続いている部分もあるため、絶対的な仕組みというより1つの視点として参考にしていただければと思います。

 

このモデルで大事なのは、体は「安全だ」と感じられて初めて血管がゆるみ、内臓の働きが上がりやすくなるということです。当院ではこの状態を「安心脳(副交感神経優位)」とお伝えしています。

 

家庭環境が落ち着かない、夫婦関係にすれ違いがある、過去のつらい経験がふとよみがえる、強すぎる目標を自分に課している。こうした状態は、性格の弱さや我慢が足りないことが原因ではなく、置かれた環境や状況がそうさせているだけです。

 

**今日からできること**:ゆっくり長く息を吐く。吐く息を長くすると副交感神経が優位になりやすいと言われています。

 

## ②消化吸収

 

どれだけ良い栄養をとっても、消化・吸収する力が弱っていれば血液の材料にはなりません。

 

消化とメンタルは切り離せない関係にあります。緊張しているときに食欲がなくなったり、食べても胃がもたれたりするのは、ストレスで交感神経が優位になると胃腸への血流や消化液の分泌が後回しにされやすいためと考えられています。

 

ここで役立つのが発酵食品です。味噌、納豆、ぬか漬け、甘酒などには消化を助ける酵素や、腸内細菌のエサになる成分が含まれていると言われています。ただし、発酵食品だけで消化力が劇的に改善するというものではなく、あくまで土台を支える要素の1つです。 

 

**今日からできること**:食事前にひと呼吸置いてから食べ始める。 

 

## ③循環

 

循環を悪くする要因は、大きく3つが重なり合っていることが多いです。

 

1つ目はストレスによる血管の収縮。2つ目は猫背や反り腰といった姿勢による骨盤内や下半身の血管の物理的な圧迫。3つ目は運動不足による筋肉のポンプ機能の低下です。筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、動くことで血液を押し戻す役割を持っています。

 

東洋医学では、この巡りが滞った状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。経血に塊が混じる、肩こりや頭痛が強い、顔色がくすみやすいといったことは、瘀血のサインの1つとされています。

 

**今日からできること**:1時間に1回、立ち上がって歩く。 

 

## ④排泄(便秘・感情の排泄)

 

排泄には便秘だけでなく「感情の排泄」も含まれます。

 

腸の中に老廃物が長く留まると腸内環境が乱れやすくなると言われています。また、エストロゲンは肝臓で分解された後、腸を通って便と一緒に排出されますが、便秘で腸の動きが滞ると、一度分解されたエストロゲンが再び体内に吸収される可能性があるとも考えられています。この分野はまだ研究段階の部分も多く、断定はできません。

 

もう1つの排泄が、泣く、話す、書き出すといった「感情を外に出す」行為です。感情を溜め込みやすい人ほど体の緊張も抜けにくく、結果的に腸の動きも落ちやすいと言われています。これは性格が悪いわけでも弱いわけでもなく、真面目で責任感が強い人ほど我慢する癖がついてしまいやすいだけです。

 

**今日からできること**:朝起きてコップ1杯の水を飲む。 

 

## ⑤消炎(急性・慢性)

 

炎症には2種類あります。風邪やケガのようにはっきり自覚できる「急性炎症」と、本人も気づかないまま体の中でくすぶり続ける「慢性炎症(低度炎症)」です。 

 

肩こりや腰痛は筋肉が硬いだけと思われがちですが、その部分で小さな炎症がくすぶっているケースも少なくありません。歯周病、便秘、内臓脂肪なども同じように火種になりやすいと考えられています。炎症が起きている場所には体のエネルギーが優先的に使われるため、慢性的な炎症が体のあちこちで続くと、本来巡らせたい場所へのエネルギーが後回しになりやすいとも言われています。

 

なお、血液検査のCRPの数値についても、妊活向けの明確な基準は確立されておらず、サプリメントで炎症がすぐに消えるというものでもありません。

 

**今日からできること**:歯科検診を予約する。

 

## ⑥栄養

 

栄養は血液の材料そのものです。タンパク質、鉄、ビタミンD、良質な脂質が特に重要と言われています。

 

見落とされがちなのが「新型栄養失調」という状態です。カロリーは足りていても、タンパク質やビタミン・ミネラルといった質が足りていない状態のことで、体型が痩せ型でも血液の材料が不足しているケースがあります。これは現代の食環境の変化によるところが大きく、本人の努力不足ではありません。 

 

**今日からできること**:朝食にタンパク質を1品足す。

 

## ⑦不必要なものが体に入ってくること(食品・日用品)

 

加工食品や添加物の多い食事、糖質や脂質に偏った外食が続くと、血液の質そのものが変わってくると考えられています。

 

日用品では、プラスチック容器、香料の強い柔軟剤や洗剤、一部の化粧品に含まれる成分などが挙げられます。これらの中には「内分泌かく乱物質」として研究が進められているものもありますが、まだ研究段階のものが多く、断定はできません。完璧に排除しようとする必要はなく、できる範囲で見直していくというスタンスが続けやすいと考えられます。

 

**今日からできること**:電子レンジ調理はプラスチック容器よりガラス容器を選ぶ。

 

## ⑧血糖コントロール

 

血糖値そのものよりも、乱高下する「波」が問題になります。空腹の状態で糖質の多いものを一気に食べると血糖値が急上昇し、それを下げようとインスリンが大量に分泌されて今度は急降下する、という波が体に負担をかけると考えられています。

 

この波は、血管の壁を傷つけやすくすること、軽い炎症反応を引き起こしやすいこと、インスリンの働きの乱れを通じて排卵に関わるホルモンバランスに影響する可能性があることの3つの経路で、血流や血液の質に関わってくると言われています。甘いものを一切食べてはいけないということではなく、食べる順番やタイミングを工夫するだけで波の大きさは変わります。

 

**今日からできること**:野菜やタンパク質から食べ始める。

 

## メンタルと身体は相互に影響し合っている

 

8つの要素はバラバラではなく、互いにつながっています。ストレスで自律神経が乱れる、消化力が落ちる、栄養が吸収できない、血液の質が落ちる、体調が悪くなる、さらにストレスが増える、という悪循環が起こり得ます。逆に、体を整えると気持ちが落ち着き、気持ちが落ち着くと体はさらに整いやすくなるという好循環も生まれます。

 

どちらか一方だけを頑張るのではなく、両方がつながっているという視点を持つことが、遠回りに見えて一番の近道になります。

 

## 鍼灸・整体・運動がなぜ必要なのか

 

8つの要素と照らし合わせると、それぞれの役割が見えてきます。 

 

鍼灸・整体が最も得意とするのは③循環です。筋肉のこわばりをゆるめ、骨盤内や末端の血流を直接的に促すアプローチができます。また、自律神経が整うことを通じて、①メンタル、②消化吸収、④排泄、⑤消炎にも間接的なサポートができると考えられています。

 

運動も③循環と⑧血糖コントロールに直結します。筋肉は「第二の心臓」としてポンプの役割を果たし、糖を取り込む受け皿にもなります。

 

一方で⑥栄養と⑦不必要なものの流入については、施術や運動だけで解決できるものではありません。血液の材料を体の外から作ることはできないため、食事やセルフケアの指導が中心になります。

 

施術・運動・セルフケア指導の3つが揃って初めて、8つの要素全体をカバーできると私たちは考えています。当院が施術だけでなく、トレーニングやセルフケアの指導を大切にしているのはこのためです。

 

## よくある質問 

 

**Q. 8つの要素を全部一度に整えないといけませんか。** 

 

そうではありません。8つを同時に頑張ろうとすること自体が新しいストレスになってしまいます。まずは気になった要素を1つだけ選び、無理のない範囲で取り組んでみてください。

 

**Q. これらを整えれば必ず妊娠しやすくなりますか。**

 

いずれの要素も、それ単体が不妊の原因と断定できるものではなく、複合的に関わり合っていると考えられています。体質を整えることは土台づくりであり、検査や治療の代わりになるものではありません。気になる症状や数値がある場合は、婦人科など医療機関への相談を並行して検討してください。

 

**Q. 鍼灸や整体を受ければ栄養や生活習慣の見直しは不要になりますか。**

 

いいえ。鍼灸・整体は主に血流や自律神経の面からのサポートであり、栄養の材料そのものを作ることはできません。施術と生活習慣の見直しは、どちらも欠かせない両輪です。 

 

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**この記事の著者** 

 

川口浩平(かわぐち こうへい)
鍼灸師。10年以上の臨床経験を持ち、兵庫県西宮市夙川で「鍼灸整体こうのとり治療院」を運営。夫婦で妊娠力を高めることをコンセプトに、施術に加えて詳細なセルフケア指導を行っている。

 

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療を代替するものではありません。症状や検査結果について気になることがある場合は、医療機関にご相談ください。